『ジーサンズ はじめての強盗』気になる結末は?彼らは捕まったのか逃げ切ったのか

マイケル・ケイン × モーガン・フリーマン × アラン・アーキン
全員がアカデミー賞受賞の名優たちで送る軽快なクライムコメディ。今回はそんな『ジーサンズ はじめての強盗』をご紹介します。

作品情報

原題:GOING IN STYLE
邦題:ジーサンズ はじめての強盗
上映時間:96分
制作:2017年/アメリカ
日本初公開:2017年

キャスト・スタッフ

監督:ザック・ブラフ
脚本:セオドア・メルフィ

登場人物:
ウィリー・デイビス…モーガン・フリーマン
ジョー・ハーディング…マイケル・ケイン
アルバート・ガーナー(アル)…アラン・アーキン
アニー・サントーリ…アン=マーグレット
ブルックリン・ハーディング…ジョーイ・キング
ヘスース…ジョン・オーティス
マーフィー…ピーター・セラフィノウィッツ
キース・ショーンフェルド店長…キーナン・トンプソン
FBI捜査官アーレン・ヘイマー…マット・ディロン
ミルトン・カプチャク…クリストファー・ロイド

あらすじ

同じ会社で40年以上も真面目に働き、定年後は慎ましくも不安のない年金生活が送れるはずだったジョー、ウィリー、アルの親友3人組。しかし会社が買収された途端、年金の支払いが一方的に打ち切られてしまう。おまけにジョーは、住宅ローンの理不尽な仕組みのせいで自宅差し押さえの危機に直面していた。そんな時、偶然にも銀行強盗の現場に居合わせた彼は、その手際の良さに感心し、自分たちも奪われた年金を取り戻すべく、銀行強盗を決行しようとウィリーとアルに持ちかける。そしてまずは腕試しにと、行きつけの食料品店で万引きを試みる3人だったが…。
<引用元:allcinema.net>

感想

マスクで顔を隠していても、話し方はじーさんだし、走り方はじーさんだし、計画通り動かないのもじーさんだし。80歳過ぎたじーさんが強盗だなんて絶対に無理!その場ですぐ捕まってしまうと思っていたら、もうカッコよすぎます。シビれました。

強盗犯なのでもちろん悪役なんですよ。そのはずなんですけどヒーローに見えてくるというか彼らが正義だなと、どうも応援してしまうんですよね。

じーさんたちが繰り出す軽妙なトークがまたいい。シャレもきいていて最後の最後までいい意味で裏切られます。お薦めを挙げたらキリがないんですが、気軽に見れるとても楽しい映画です。

感想(ネタバレあり)

↓↓ネタバレとなりますので、知りたくない方はお戻りください

何がジーサンズを強盗に駆り立てたのか

ジョー、ウィリー、アルの3人は年金生活を送るどこにでもいるような老人。そんな彼らがどうして強盗を企てたのでしょうか。

犯行の動機

犯行の動機、それはズバリ“年金の打ち切り”です。40年も真面目に働いてきたのに、会社の経営都合である日突然通達されたのです。

考えたくない気持ちは重々わかりますが、考えても見てください。今 働いている人もきっと将来は年金をもらえると思っていますよね。それが定年後何年かは普通に年金がもらえていて、これがきっと続くだろうと考えているところに突然の打ち切りですよ。怒りや絶望それから不安はどれほどだったんでしょう。

だけど年金を打ち切りにされたら会社を恨むんであって、銀行を襲うのはちょっと違うんじゃないかと思いました?実は、彼らが銀行をターゲットにしたのにはこんな理由があったんです。

まず1つめ。これはジョーの個人的な理由でもあります。年金が入らないことによって住宅ローンの支払いが滞り支払額は3倍に、ついには家を奪われそうなのです。差し押さえまでの猶予は30日。もし払えない場合は家は銀行に奪われます

そうです、住宅ローンを貸し出す際には調子のいいことを言っていたのに相談には一切応じてもらえないんです。ジョーは銀行を恨んでいました

ジョーが銀行員へ怒りをぶつけようとしたその時、颯爽とジョーのいる銀行へやってきた人たちがいました。それが銀行強盗だったんです。彼らはまるでダンスでも踊っているかのような軽やかな動きを見せ、誰も傷つけることなくものの数分で160万もの大金を奪っていきます。

目の前で鮮やかな行動を見せつけられたらちょっと考えてしまいますよね。簡単そうだな。自分にもできるんじゃないかって。それが2つめの理由です。

ジョーの個人的な理由はあれどみんな自分の生活があります。これからの生活をどうしようかと考えている最中、3人は新聞で驚愕の事実を知るんです。それは、会社が自分たちに支払うはずだった年金を会社の債務の返済に充てること。そして銀行がその年金基金の清算や企業債務の再編を管理することでした。

自分たちの年金を銀行が横取りするのか!ついに3人の思いが1つになったのでした。

仲良し3人組の電話

軽いトークの応酬があるのもこの映画の魅力の1つだと思うんですが、この「一緒に強盗しようぜ」の勧誘シーンがツボでした。電話での会話なんですが、話者が増える度に画面分割が増える編集もまたイイのでぜひ見て欲しいシーンです。

※昼間に1度ジョーが「銀行強盗しようと思う。一緒にどうだ」と2人を誘っています。その夜の話です。

[電話にて]
ウィリー:You’re serious today.
(お前本気だよな)

ジョー:I think so. The thing is, we have nothing to lose.
(本気だ。失うものは何もない)

ウィリー:I’m not a thief, Joe.
(俺は泥棒じゃない)

ジョー:Neither am I.
(俺もだ)

ウィリー:We take exactly what’s owed on the pension, right?
(奪うのは年金の分だけだな)

ジョー:That’s all I want.
(それだけだ)

ウィリー:Not a penny more.
(1銭もオーバーしないな)

ジョー:My word. Wake Al up.
(約束する。アルを起こせ)

ウィリー:Hold on. [ルームメイトのアルに向かって] Al. Al. Albert.
(待ってろ。アルバート!)

アル:Huh?
(ん?)

ウィリー:Pick up the phone.
(電話を取れ)

アル:Who died?
(誰が死んだ?)

ウィリー:Nobody died, it’s Joe.
(死んでない、ジョーから電話だ。)

アル:I don’t talk to criminals.
(犯罪者とは話さない)

ウィリー:[電話でジョーに] You heard that?
(聞こえたか?)

ジョー:Hang up. I’ll call him back.
(切るぞ。アルにかける)

[アルの電話がなる]
アル:What do you want?
(何の用だ?)

ジョー:The thing is, what do you want, Al? You want to drift off into the sunset, or do you want to go out with a bang?
(聞きたいのは、アルがどうしたいかだ。日が沈むように静かに死ぬか、一花咲かせて散るか、どうしたい?)

アル:I don’t have a problem with dying. I just don’t want to do it in prison.
(死に方はどうでもいい。ただ、刑務所で死にたくないだけだ)

ウィリー:Nobody’s going to prison.
(刑務所には行かない)

アル:What exactly is happening here?
(一体何が起こってる?)

ジョー:Willie’s in.
(ウィリーもやる)

アル:You’re both out of your minds.
(お前ら2人ともイカれたのか)

ジョー:Sleep on it, Al.
(一晩考えろ)

アル:I don’t need to sleep on anything. I’m not a bank robber. Neither are you, or you, Willie. [アル電話を切る]
(考えることは何もない。俺は強盗じゃない。お前もウィリーもだ)

[電話がなり、受話器をとるアル]
アル:What?
(何だ?)

ジョー:Why did you pick up the phone?
(どうして電話にでた?)

アル:Because it was ringing.
(鳴ったからだ)

ジョー:Because you’re interested.
(その気があるからだろ)

アル:What are you, my psychiatrist now?
(なんだお前は俺の精神科医か?)

ジョー:More like a psychic.
(霊能者かな)

アル:Well, then you know I’m going to hang up now.
(じゃ、俺が電話を切るのも読めるな)

ジョー:I’ll see you tomorrow, Al.
(じゃ、また明日)

ウィリー:Sweet dreams.
(いい夢を)

アル:And don’t call back.
(もうかけてくるなよ)

<引用元:本編映像より>

ということで、ジースンズは“自分たちがもらうはずだったお金”を取り戻すために強盗したんです。

結末は一体!?ジーサンズは捕まるvs逃げ切れる

銀行強盗をすると決めたジーサンズ。彼らは善人なので犯罪とは無縁でした。そこで予行練習を兼ねて地元のスーパーで万引きしようとしますがあえなく御用となります。(ちなみにこの万引きシーンも必見です!)

無謀さを知った3人はプロに習うことに。ツテを頼って犯罪者を紹介してもらいます。ヘスース先生の元、体力づくり、犯行に使う覆面や車両などの手配、銀行の下調べ、犯行時の動きの確認、アリバイ作りと完璧に準備してついに当日を迎えます。

途中、ウィリーの覆面を外されそうになるなどハプニングはあったものの、銀行から大金を奪うことに成功。3人はもらうはずだった年金分ぴったりだけを手にして余分なお金は寄付などに回すのでした。

そんな彼らに捜査の手が忍び寄ります。銀行の防犯カメラに映る“仲間に駆け寄る姿”が“スーパーで万引きして逃げる男性の姿”に似ていると情報提供があったんです。ジーサンズはそろって連行されてしまうのでした。

でも、彼らのアリバイは完璧です。3人は理路整然と当日の動きを伝え無実を主張します。犯行当日は老人会で行なっているチャリティー祭りの日だったこともあり、彼らのアリバイは老人会の会長を中心に証明されたのでした。

警察は最後のチャンスとばかりに、一堂に集められた老人たちの前に1人の少女を連れてきます。ジョー、ウィリー、アルを含む老人たちと対面させてこの中から犯人を割り出す作戦です。彼女はあの銀行でウィリーの覆面に手をかけた小さな女の子でした。

絶体絶命のピンチ!緊迫した空気が張り詰めます。

そして記憶力のいい少女は警察に伝えるのです。「この中に犯人はいない」と。

そうして彼らは逃げ切ったのでした。

原作はある?オリジナル版と違うところはコレだ

『ジーサンズ』は、1979年のコメディ映画『お達者コメディ/シルバー・ギャング』を基にした作品となっています。原題は『Going in Style』で『シーサンズ』の原題と同じですね。ただレンタルビデオはあるんですがDVDやBDはないようなので見るのは難しそうです。

オリジナル版とどう違う?結末は?

『ジーサンズ』と『お達者コメディ』では強盗する犯行動機から違っています

奪われた年金を取り戻したいと行動にでるのが『ジーサンズ』ですが、『お達者コメディ』は単なる暇つぶしです。繰り返される同じ日常に退屈している老人3人組が残りの人生も同じように過ごすことがイヤになり「成功したら気分がいい」「失敗しても刑務所に3年で衣食住付きだ、悪くない」と強盗を企てます。

そうなんです。お金に困っていてどうしても強盗しかなかったという訳ではないんですね。人生まずまずでお金に困ってはいない。きっと多くの人が思うであろう「でもお金があれば生活がもっと楽になるんじゃないか」という思いを持っている。

自分勝手な犯行動機ではありますが、彼らにとっては“退屈”が死活問題だったんでしょう。

思い立ったが吉日。“心配ない”“必要ない”と下調べなんか行いません。銃も手に入れて早速行動に移ります。毎日を退屈に過ごしていましたからね。こんな“楽しいこと”は待てないようで、行動力を発揮してガンガン進むんです。

顔を隠すために買ったのも、おもちゃ屋で売っている太眉付きのメガネとヒゲのついた付け鼻ですからふざけているとしか言えません。でも、強盗自体はとてもあっさりクリアします。

ここからが『ジーサンズ』との大きな違いになりますが、オリジナル版の『お達者コメディ』では強盗後のことに重点を置いています

大金を手にしたことを喜んだのもつかの間、3人のうちの1人ウィリーが心臓発作で亡くなってしまうんです。さらに追い討ちをかけるように“退屈な日常”が戻ってきます。もともと生活には困窮していなかたので今度はお金の使い道に困ります

ジョーとアルは相談の結果、ラスベガスでギャンブルしつつ羽を伸ばそうと計画します。“退屈”に耐えられないからといって刺激を求めすぎでしょう。

しかも、お金を使うつもりで乗り込んだのに倍以上に勝ってしまうのも何だか人生そのもののような。この場合はギャンブル脳ではなかったことが裏目に出てしまうんですね。これではカジノで不正を働いたんじゃないかと悪組織と警察の両方に目をつけられかねません。

急いでカジノを去ったジョーとアルでしたが、悲劇が起こってしまいます。怒涛の展開に体がついていけなくなったのか今度はアルが亡くなってしまうんです。そしてイヤなことは続くもので、強盗の捜査の手がジョーに迫ってきていました。

ついに逮捕されてしまったジョーは「これからが第3の人生だ」と呟きます。彼らの人生は強盗をしたことによって予想外にそして劇的に変わりました。ジョーにとって望んだ人生になったのでしょうか。

まとめ

個人評価:★★★★★(星5)
・1人で見れる
・友達と見れる
・恋人と見れる
・親と見れる
・子供の年齢によっては一緒に見れる(犯罪、大人の恋愛要素ちょっとあり)
・見終わった後まで楽しい気分になれる