『星の王子ニューヨークへ行く』続編を見る前に知っておきたい7つのこと

テレビでも何度も放送されたのでご覧になったことがあるという人は多いんじゃないでしょうか。

アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの小説『星の王子さま』から、タイトルを『星の王子さまニューヨークへ行く』と間違って覚えている方がいるかもしれませんね。実は私は映画を小説より先に知ったこともあり、勘違いが行き過ぎてその小説が原作で花嫁探しに行く話だとずっと思っていました…。

それでは映画『星の王子ニューヨークへ行く』をご紹介します。

作品情報

原題:COMING TO AMERICA
邦題:星の王子ニューヨークへ行く
上映時間:117分
制作:1988年/アメリカ
日本初公開:1988年

キャスト・スタッフ

監督:ジョン・ランディス
脚本:デヴィッド・シェフィールド、バリー・W・ブラウスタイン

登場人物:
アーキム王子…エディ・マーフィ
セミ…アーセニオ・ホール
リサ・マクドウォール…シャーリー・ヘドリー
ザムンダ国王…ジェームズ・アール・ジョーンズ
クレオ・マクドウォール…ジョン・エイモス

あらすじ

アフリカの某小国の王子が、花嫁探しのためにニューヨークを訪れた。王子は一介の市民を装って、市井の女性を観察するが……。
<引用元:allcinema.net>

感想

昔から大好きな映画。小ネタが散りばめられたコメディ・ラブロマンスで見たあとにあれはどうだったのかと調べたくなるし、調べてから見るともっと楽しさが増す作品だと思います。

エディー・マーフィーが最高なことに変わりはないんだけど、王子のお付き役セミのアーセニオ・ホールもまたいい感じ。蛇足ではあるんですが…来たくてニューヨークへ来たわけじゃないセミが豪華な暮らしが出来ない生活をどう乗り越えて行くのかも見所の1つかもしれません。

感想(ネタバレあり)

↓↓タイトルに反しますが、ネタバレとなりますので知りたくない方はお戻りください

お風呂係から花びら係まで。豪華すぎるアーキム王子のザムンダ王国王子ライフ

イギリスのロイヤル・パビリオンとアンディ・ルソーの19世紀のジャングルの絵からインスピレーションを受け作り上げられた架空のアフリカの国・ザムンダ王国。その王国王子であるアーキムが豪華な目覚ましによって起こされるところから物語は始まります。

彼はこの日で21歳の誕生日を迎えたわけですが、これまで自分の身の回りのこと一切をやったことがないんです。本当に一度も。

さて、それではアーキム王子がどんな生活を送ってきたのか見てみましょう。王子にはたくさんのお世話係が配置されています。特に男性はうらやましいと感じるものがあるかもしれませんよ。

①お世話長
王族のお世話のことならお任せください。頷き1つで次の行動を読み取ります。またお祝い行事では歌を披露することもございます。

②目覚ましクラシックス
王子のお目覚めの時間になると、楽団員たちが颯爽と現れ優雅な朝の演出をいたします。

③スリッパ履かせ係
お目覚めになった殿下のスリッパをお足元までご用意いたします。しっかりとお履きになっているか確認も忘れずに行うことでしょう。

④お洋服羽織らせ係
ローブは気高く金色で。

⑤花びら係
王族の足元にはいつも花びらを。3人組となってしっかりと花びらを敷いていきます。

⑥お尻拭き係
殿下のお手洗いはお任せください。21年間、一度だって殿下の手を煩わせたことはございません。

⑦お風呂係
殿下のお風呂へは3人がお伴します。ロイヤル・ペニスをキレイにお洗いする技だってございます。身の回りのお世話を嫌がる王子もお風呂係だけは悪く思ってないようです。

⑧歯磨き係
殿下の歯磨きは複数人で取り掛かります。歯ブラシを使い歯を磨き上げる担当、うがい用の水を口まで運ぶ担当、うがいの時に喉をガラガラする担当、そしてお口元をタオルで優しく拭く担当となっています。

⑨洋服係
殿下の洋服のことならお任せください。靴から練習着まで何でも取り揃えております。

番外編:国王夫妻との朝食
とてつもなく長いテーブルの端に国王夫妻、彼らとは逆の端にアーキム王子が着席します。テーブルがとてつもなく長いので、お互い直接会話ができません。そこで使用するのがトランシーバーのような機械。スイッチを押して話すと声が相手に伝わります。

番外編:21歳になって初めてお妃候補に会う
通常は21歳でお妃候補を紹介され、そのあと成婚式を挙げます。でもアーキム王子はどうしても王子の言うことを聞くだけの人を妻にしたくありませんでした。紹介されたのがどんなに美人であっても、どんなに王子に忠実であってもその考えは変わりません。

王子という肩書きではなくアーキムというただの男としての自分を愛してくれる人を見つけたい。そう考えるアーキムはついに行動にでます。王子にふさわしい“クイーン”を求めてニューヨーク州クイーンズへと旅立ったのです。王子に残された時間は成婚式を挙げるまでの40日。果たして40日後、アーキムの隣に立つのは一体誰なのでしょうか。

監督はマイケル・ジャクソンの『スリラー』で有名なあの方

プロモーションビデオ(PV)に革命を起こしたと言っても過言ではない『スリラー』。そのあまりにも有名な“長編作品”を手がけたのが、ジョン・ランディスさん。『星の王子ニューヨークへ行く』の監督です。

その縁もあってか、『スリラー』に関連したあるモノが映画本編に出てきます。それはなんと、ダンス!このコメディ映画にダンスなんてあったかなと疑問に思いました?スリラーは有名だから、出て来たら分からないわけないよと感じたかもしれませんね。

実はですね…作品序盤でアーキム王子の妃候補が紹介されるときにダンサーたちが踊りますよね。そのダンスがそれなんです。テンポがものすごく速く『スリラー』とは全く違うカーニバルのような曲調に合わせて披露されるんですが、よく見るとダンスの一部で『スリラー』の動きをしているように見えませんか?

ちなみに、ジョン・ランディス監督は作中のどこかに“See You Next Wednesday”というフレーズを登場させることでも知られています。

このフレーズ自体は映画『2001年宇宙の旅』に出てくるもので、船員のフランク・プールが受け取った両親からの誕生日祝いのメッセージビデオの締めのコメントなんですね。どうもジョン・ランディス監督のツボに入っちゃったようで…。

『スリラー』にも登場させていたこの“次の水曜日に”というフレーズ。『星の王子ニューヨークへ行く』ではどうかというと、やっぱり出てきます。

映画終盤、地下鉄内でリサにプロポーズしたアーキム王子。彼らが乗る電車が駅に着く、まさにその時に到着駅の壁に貼ってあるポスターを見てみてください。

こういう小ネタを探しながら見る映画もいいものですね。

エディーマーフィーが4役に挑戦!?

日本声優界では山ちゃんこと山寺宏一さんがエンドロールを独り占めすることで有名ですよね。その山ちゃんが声を演じたことのあるエディー・マーフィーさん。彼も同じ映画内で何役も演じることで知られているんです。

じゃあエディー・マーフィーさんはいつから1つの作品で複数の人物を演じているのか。実は、この映画が最初だったんです。まさに原点とも言えますね。

『星の王子ニューヨークへ行く』でエディー・マーフィーさんが演じた役はこちらです。あなたはいくつ気づきましたか?

①アーキム王子
映画の主人公。

②クラレンス
理髪店の店主。アーキム王子が生まれた時から伸ばしていた髪の毛をためらいなく切る男性。

③ソール
理髪店の常連客でユダヤ系の男性。彼がエディー・マーフィーさんだと気づいた人は少ないかもしれませんね。

ユダヤ系男性の特殊メイクと服装でちょっと実験でもと考えたエディー・マーフィーさん。彼はパラマウントの撮影所にある1つのスタジオから別のスタジオへゴルフカートで移動しつつ、会う人会う人にいつもの声で「やあ。エディー・マーフィーだよ」と声をかけて回ったんだそうです。でも、信じる人はいなかったんだとか。

④ランディ・ワトソン
アーキム王子がリサに一目惚れする“ブラックは最高大会”で歌っていた歌手。あまり人気がない。

アーセニオ・ホールもエディー・マーフィーに負けじと演じてます

日本声優界でとてつもなく有名な山ちゃんこと山寺宏一さん。彼はアーセニオ・ホールさんの声も演じたことがあるんですよね。しかもこの映画の。

さて、この映画ではエディー・マーフィーさんが4役演じていたのに対し、アーセニオ・ホールさんも4役演じています。

①セミ
アーキム王子のお付き。一緒にニューヨークへ行く。

②モーリス
床屋の従業員。メガネをかけ、あごひげの生えたアフリカ系アメリカ人。

③とてつもなくブサイクな女(Extremely Ugly Girl)
お妃探しにバーへ行ったときに最後に“面談”した、アーキム王子とセミの2人ともとお近づきになりたいと迫った積極的な女性。エンドクレジットで“とてつもなくブサイクな女”となっていますが、書かれているほどブサイクではありません。

④ブラウン牧師
アーキム王子がリサに一目惚れする“ブラックは最高大会”で司会を務めていた牧師。歌手のランディ・ワトソンよりも人気がありそうでした。

ちょい役でこんな人たちも出ていたんです

髪を切られる少年

アーキム王子が理髪店に初めて入ったときに髪を切ってもらっていた少年。彼こそが、キューバ・グッディング・Jrさんです。1996年の『ザ・エージェント』で落ち目のフットボール選手を演じ、アカデミー助演男優賞を受賞した彼はこの作品で映画デビューしていたんですね。

バスケ試合会場で仕事をするザムンダ王国の国民

映画デビューと言えば、ヴォンディ・カーティス=ホールさんも忘れてはなりません。『シカゴホープ』などのテレビドラマに出演したり、今では俳優だけでなく監督脚本もこなすマルチな才能を発揮されていますよね。

そんな彼が、ニューヨークで出会うザムンダ王国の国民というインパクトのある役で映画デビューを飾っていたのでした。

バーガーショップの強盗

見逃せないのが、サミュエル・L・ジャクソンさんも出ていることです。

アーキム王子がバイトするバーガーショップに銃を持って強盗にやってくる男性。リサの父親によるとこの強盗犯はこれまでに5回も店へ強盗しにやって来ていたんだとか。5回と数えていることから、これまでも顔を隠すこともなく堂々とやって来ていたのでしょう。顔を覚えられているのに捕まってなかった(もしくは捕まっても釈放後また来た)なんてすごすぎです。

ホームレス2人組

アーキム王子から大金を恵んでもらうホームレスの男性2人組がラルフ・ベラミーさんとドン・アメチーさんです。いや、映画『大逆転』のデューク兄弟です。

1983年にジョン・ランディスさんが監督を務めた映画『大逆転』。そこでエディー・マーフィーさんはホームレスから大富豪になるビリー・バレンタインを演じているんですが、そのビリー・バレンタインこそがデューク兄弟を大富豪からホームレスへと転落させた張本人なんです。

その役柄を頭の片隅に置いて次のシーンを見ると、セリフどおりホームレスが大金を恵まれたことに喜んでいるシーンではあるんですが、『大逆転』の続きを見ているようにも思えて楽しさが増しますよね。

モーティマー:[お金を数えて] Randolph.
(ランドルフ)

ランドルフ:Leave me alone, Mortimer.
(うるさい、モーティマー)

モーティマー:Randolph, Randolph!
(ランドルフ、いいから聞けって!)

ランドルフ:I’m still not talking to you.
(お前とはまだ絶交中だぞ)

ランドルフ:Look.
(見ろよ)

モーティマー:[お金を数えて] Mortimer… We are back.
(おい、モーティマー。ツキが戻ったぞ)

ランドルフ:Yeah.
(そうだとも)

<引用元:映画本編より>

王子が奴隷!?なぜアーキム王子がクンタ・キンテと呼ばれたのか

この映画を初めて見た時、1つどうしても分からなかったシーンがありました。それはアーキム王子がおなじみの理髪店に入ったら常連客から“クンタ・キンテ”と呼ばれ、みんなが嬉しそうに爆笑するところ。

クンタ・キンテの響きがアメリカ人にとって面白いのかなと想像していたんですが、全く違いました。

このクンタ・キンテはアメリカで一大センセーショナルを巻き起こしたテレビドラマ『ルーツ』の主人公の名前から来ているんだそうです。なるほどね、とはこのドラマを見たことがないのでならなかったんですが…

ドラマを調べてみたところ、アフリカで生まれた少年クンタ・キンテが奴隷としてアメリカへやってくる話で、親子4代にわたって自由を求めた想像を絶する戦いに挑む黒人奴隷の物語だそうです。1977年に日本でも放送があり流行語にもなった作品のようなので、ドラマをご存知の方は大爆笑だったことでしょう。

ちなみに、『ルーツ』で大人になったクンタ・キンテを演じたジョン・エイモスさんが『星の王子ニューヨークへ行く』ではリサの父親を演じています。

星の王子はスター・ウォーズにも関係してた!?

ザムンダ国王を演じるジェームズ・アール・ジョーンズさん。映画『スター・ウォーズ』のダース・ベイダー役でもおなじみですよね。

バーガーショップでリサの父親に会ったザムンダ国王はバーガーショップを立ち去る際にスター・ウォーズファンにはたまらない一言を残すんです。

国王:If you see him, call me.
(息子を見かけたら電話をしてくれ)

リサ父:I’ll tell him you’re here.
(おいでになったと伝えます)

国王:No. Do not alert him to my presence. I will deal with him myself.
(ダメだ。来たことは知らせるな。私が直に伝える)

<引用元:本編映像より>

この最後のセリフは『スター・ウォーズ』でダース・ベイダーが言う「I will deal with them myself」にとても酷似しているので、知っていて見るとクスッと来るんですね。

ちなみにヨーダ役のフランク・オズさんは一味違った形で『星の王子ニューヨークへ行く』に登場します。それはアーキム王子がニューヨークへ到着した空港のシーンで流れている館内放送。

係員が「フランク・オズノヴィッチさん、お電話がかかってきております。白い電話にお出になってください」と呼び出し放送を入れているんですが、このフランク・オズノヴィッチというのがフランク・オズさんの本名なんですよね。

ジョン・ランディス作品の常連であるフランク・オズさん。作中に姿を見せることはなかったものの、やはり欠かせない存在なんでしょう。

まとめ

続編も決定している『星の王子ニューヨークへ行く』。いつ見ても楽しい作品なので、続編を見る前にはぜひ復習をかねてご覧になってはいかがでしょうか。

個人評価:★★★★★(星5)
・1人で見れる
・友達と見れる
・恋人と見れる
・親子で見れる
・何も考えず気軽に見れる作品
・小ネタ満載