英国ドラマ『刑事ジョン・ルーサー』シーズン1第1話

イギリスの刑事ドラマ『刑事ジョン・ルーサー(原題:Luther)』。

海外ドラマ好きの友人から強くお薦めされたので見たんですが、ハマりました。「何かがおかしい。何かあるな。」と刑事の勘が告げる時、物語は動き出します。

第1話は刑事モノでよくある1話完結とは違いますので要注意です。1話でスッキリ完結を望んでいると拍子抜けします。

結末は一応出るんですが全然終わりじゃなく、どちらかと言うと、このシーズン通しての大きな事件を第1話でちょっと見せたようなものでしょうか。もしくは人物紹介と言えるかもしれません。

スッキリはしませんが、この後どうなるかがとても気になる終わり方になっていますので、きっと次の話も見たくなります。

ちなみに、このドラマはすでにシーズン5まであるそうですが、日本で見れるのは2018年6月10日現在、シーズン4までのようです。

作品情報

原題:Luther
邦題:刑事ジョン・ルーサー
シリーズ話数:シーズン1全6話
制作:2010年/BBS
日本DVDリリース:2013年

キャスト・スタッフ

企画・脚本:ニール・クロス
監督:ブライアン・カーク

登場人物:
ジョン・ルーサー…イドリス・エルバ
アリス・モーガン…ルース・ウィルソン
イアン・リード…スティーヴン・マッキントッシュ
ゾーイ・ルーサー…インディラ・ヴァルマ
マーク・ノース…ポール・マッギャン
ローズ・テラー…サスキア・リーヴス
ジャスティン・リプリー…ウォーレン・ブラウン

ストーリー

捜査中の“事故”のために停職していたジョン・ルーサー(演:イドリス・エルバ)は不問とされ現場復帰を果たす。

復帰早々、ジョンに任されたのは熟年夫婦が殺害された事件。

現場検証から、被害者の家のことをよく知る人物の犯行とにらんだジョンは、被害者の娘アリス(演:ルース・ウィルソン)の事情聴取を行うことに。

両親を恨む人物にも犯行に繋がるような出来事にも、何も心当たりがないと話すアリスに対し、ジョンは…。

あらすじと感想(ネタバレあり)

↓↓ネタバレとなりますので、知りたくない方はお戻りください

ジョンが停職になった理由

犯人を追って建物の上階まで向かうジョン・ルーサー警部。ようやく犯人を追い詰めた時、犯人がパイプを手にジョンを襲おうとする。

しかし、犯人が踏み込んだキャットウォークの床が抜けて…。

ジョンは、落ちないように必死に穴の縁にしがみつく犯人に近づき、被害者の少女をどこに隠したのかと聞くが、犯人はそれには答えず自分を引き上げるように助けを請う。

助けてくれって…
ふゆ
そう言いたいのは被害者だよ!

ついに、犯人から少女の居場所を聞き出したジョンは急いで仲間に電話をかけ、犯人が言った場所に少女がいるかどうか、そして少女が生きているかどうかの確認をする。

少女の無事を確認した後も、犯人を助けようとはしないジョン。犯人は連続少女殺人者のヘンリー・マドセンで、これまでも同じような犯行を繰り返していたのだ。

そして、犯人はついに力尽きて数メートル下まで落ちてしまう。

床に転がる犯人を上から覗いたジョンは、自分が目の前の男を見るだけだったことを後悔するかのように頭を抱えるのだった。

犯人死亡?
ふゆ
いや、昏睡状態なだけで生きてはいるみたいだよ。

ジョンが停職になったのは、犯人逮捕の際に、犯人の命が危ないのにもかからわず見捨てたことによるものでした。

これまでに人の命を奪ったことのある人でも、自分が死にそうな時には助けを請うんだなと、そんな場面を見たことはないけど、こういう人ばかりなんだろうなと妙な説得力がありました。

それと同時に、もし自分が犯人に出くわした時、絶対な悪人なんだけどその人が死にそうな時に自分はどうするだろうかとフと考えされられました。でも、助けるのは躊躇する気がします…。

職場復帰

7ヶ月後。休職中のジョンは同じ場所にいた。

そこにボスのローズ・テラーが現れ、調査会の結果、今回のことでジョンに懲罰はなく復帰できることを伝える。そして、相棒となるジャスティン・リプリー刑事を紹介するのだった。

復帰したその日、さっそく事件現場へ向かうジョンとジャスティン

現場検証の結果、ジョンは間取りを知っている人物による犯行ではないかと当たりをつける。

事件の概要
▼家宅侵入および殺人
▼被害者:モーガン夫婦
▼通報者:娘のアリス・モーガン
買い物から帰宅して事件を発見
仕事は研究員で大学近くのアパートに住んでいる
父親の誕生日のため実家に集まっていた

現場検証
▼犯人は侵入時に犬を射殺
▼玄関の鍵は開いていた
▼争った痕跡なし
▼強盗や暴行目的ではない

凶器
▼小型拳銃。でも現場には残っていない

何か見落としてそうだ…
何かあるな

一方、別居中の妻ゾーイは…

ジョンから懲罰もなく復帰できたと電話をもらうゾーイ。彼女はジョンの復帰を喜ぶもどこか浮かない表情だった。

実は、別居している間にマーク・ノースという男性と恋愛関係になっていたのだ。

マークは自分たちの関係をジョンに伝えるべきだと言うが、ゾーイは躊躇する。

ゾーイもジョンが復帰したら話そうと思っていたのだが、実際に打ち明けるとなると、そうすることでジョンを傷つけるのが怖いと思うようになっていた。

別居しててもジョンは妻との関係が崩れているとは思ってないんだね
ふゆ
職場復帰すればまた一緒に暮らせると思ってそう
ジョンが不憫…

アリスの聴取

アリスの聴取をするジョンは、殺害された両親が誰かから恨まれていなかったか、少しでも犯人の手がかりになることがないかと質問を重ねる。

しかし、殺害される理由が何もなく、不審な人物を見てもいないと涙ながらに語るアリス。

ひとまず休憩を取ろうと席を立ったジョンは、部署へ戻りアリスが犯人だと仲間に告げる。

※ジョンがそう判断した理由とは。本当の本当にネタバレです↓↓↓
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アリスが犯人だと睨んだジョンは、大胆にもアリスに直接犯人かどうか聞く。

なぜそんな結論に至ったか理解できないと告げるアリス。自分を疑うなら殺害方法を示せと突っぱねるのだった。

アリスが犯人に見えて来る!!!!

ふゆ
さっきまで恐怖で震えてたかと思ったのに、何この変わりよう…

アリスが犯人だと確信を深めたジョンはローズに逮捕状を出すように訴えるが、証拠も目撃者もなく、犯行時間的にも不可能との理由から、証拠が出ない限りアリスを逮捕することはできないと却下されてしまう。

アリス役のルース・ウィルソンさん。米ドラマ『アフェア 情事の行方』のアリソン役でご存知の方もいるかもしれませんが、今回もどこか怪しい、影のあるような、そして魅惑のアリスを演じています。

とにかく真っ赤な口紅が似合うと言うか、誘惑してないところでも魅力たっぷりで。囁き声がまたセクシーなんですよ。意味ないはずの言葉なのに意味があるように聞こえる気がしてきて…。

最初は、被害者の娘として事件に協力するんですが、その時はか弱く見えて、事情聴取で豹変するところが何とも見事なんです。

態度が変わったというより雰囲気が変わったというほうがしっくりくるような、めちゃくちゃ怖い美人さんへと印象が一転するのでぜひ映像でご確認ください。

聴取後のジョンは…

別居中のゾーイを訪ねるが、ゾーイからは恋人ができたことを告げられる。

ゾーイの言うことが理解できないジョン。しかし、ゾーイは残酷にもジョンが帰ってくる場所はないと突き放すのだった。

聴取後のアリスは…

聴取の際のジョンとの“会話”が気に入ったアリスは、帰宅後インターネットでジョンのことを調べていた。

ヘンリーを逮捕したことやヘンリー自身について。そしてゾーイという妻がいて、弁護士として働く職場までを知る。

どこまでも警察官なジョン

ゾーイからの衝撃告白があったものの、ジョンは変わらずアリスのことを考えていた。

彼女はナルシストで自分の優秀さを常にアピールしている。そんなアピール好きな人間が自分の完全犯罪を黙っていられるはずがない。

そこでジョンは、アリスは自分を賞賛する人間が必要だろうから、ジョン自ら近づき、さらに、わざと彼女を怒らせミスを誘い出そうと考える。

アリスに接触するジョン

アリスはジョンに実家で殺害された犬が火葬されたと告げ、遺灰の入った壺を見せる。

アリスはジョンへの興味を隠そうともせず、ヘンリーのことや妻のことを聞くがジョンは相手にしない。

そればかりかジョンは、アリスが隠し持っている銃を必ず見つけると告げる。ジョンはアリスが完全犯罪の記念に本来は処分すべき銃を衝動的に残したと考えていたのだ。

衝動的な行動の結果ミスは起こると言われ、怒りを滲ませるアリス。

妻は襲撃される

やはりゾーイの話を納得していなかったジョンは、アリスと別れたその足でゾーイの元を訪ねる。

ここでもまた聞きづらいことをズバッと口にするジョン。彼はゾーイにもう一度やり直せないかと聞くが、答えは出ない。

こうなった理由が何かあるはずだと責めるジョンに、ゾーイはジョン自身が理由で、いつも仕事のことばかり考えていて、ヘンリーの事件を追っていたかと思えば突然ゾーイを置いて家に帰ってこなくなったことを挙げる。

そして、ジョンにゾーイを愛しているならもうこの状況を受け入れてと言う。

アリスに狙われる可能性があると言いに来たのかと思ったら…
ふゆ
違ったね。

ジョンと別れたゾーイは気持ちを落ち着かせるためにタバコを吸いに外に出る。

すると、アリスがゾーイの背後から近づき…

出たーーーーー!
ふゆ
やっぱり!ジョン気づけー。

アリスはゾーイを傷つけはしないものの、凶器をチラつかせジョンに起こりうるかもしれない未来を語り脅すのだった。

それでも逮捕できない

ゾーイ襲撃の連絡を受け、激怒するジョン。

しかし、ゾーイはアリスの顔を見ておらず、防犯カメラのない場所での事件だったため、今回もアリスを逮捕できない。

アリスを止める唯一の方法は、彼女が犯人だという証拠を見つけることなのだ。

現場写真を見ながら殺人事件を洗い直すジョンの元へ同僚のイアン・リードがやってきて、殺人に使用された銃と同じ型の物を見せる。

それを見たジョンはある仮定を立てるのだった。

※本当の本当にネタバレです↓↓↓
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しかし、仮説を基にアリスを逮捕することはできないし、あくまで仮説にすぎないので家宅捜索もできない。

天才のアリスでも理解できないこと

逮捕に必要なのは証拠。

アリスが持っているであろう証拠を探すため、アリスの家に不法侵入するジョン。

そして読み通り、ソレを見つける。

帰宅したアリスはジョンに証拠を持っていかれたと気づき、包丁を手にジョンのあとを追う。

そして、橋の上でジョンに追いつき、包丁を突きつけ、ソレは証拠にはならないから返すように脅す。

この包丁を使っての脅しは犯罪にならないの?
ふゆ
現行犯逮捕が一番早く確実そうなのに…

しかし実は、ジョンもソレだけでは殺人の証拠にならないことが分かっていた。

そして同時に、アリスがソレを残していたのはアリスが自分の存在価値を示すためだったことを見抜いていた。

アリスを逮捕することはできないが、このまま放っておくこともできない。

ジョンはアリスに今度ゾーイに近づいたら、アリスの代わりに、アリスの両親殺人の罪でどこの誰だか分からない人を逮捕すると告げる。

それは、アリスの完全犯罪を別の誰かの手柄にすることであり、アリスの完全犯罪ができるほどの賢さや存在価値をなくすも等しいことだった。

アリスは裏切った妻のために警察の信用まで落とすのかとジョンに詰め寄るが、ジョンは「それが愛だ」と答えるだけでアリスを残して立ち去ってしまう。

アリスにはその“愛”がどうしても理解できなかった。

その後の2人は…

ジョンは“元妻”の家を訪ねるも、彼女はすでにマークと生活を共にしていた。

少なからずショックを受けたジョンだったが、ゾーイの判断を尊重して受け入れること、それでもゾーイを愛していることを伝え、これまでのことを謝る。

お互いに謝り許し合えた2人。ジョンはゾーイの家から帰りながらアリスに電話をかけ、やはり自分の考え通り“愛”は存在すると告げるのだった。

一方、電話を切られたアリスは、とある病室の前から立ち去る…。

妻の変わり身も早くて驚きですが、海外だとこんなもんなんでしょうか。

それはさておき、アリスですよ。怖すぎます。ヘンリーに関しても調べてるとは思ってましたが、まさかラストで出てくるとは。

彼女の行動を見る限り、まだまだジョンに執着してそうです。

アリスは天才で物事の真理を理解できている“はず”なのに、知らないことが許せないように見えます。だからこそ、自分が知らない“愛”を知っているジョンが気になって、気に食わなくて、許せないんじゃないでしょうか。

ヘアピンだったり携帯だったりを口元に持っていく、彼女の考えるときの癖が最後でも出ていて、これはゾーイを襲ったとき以上の衝撃が待っているんじゃないかとドキドキです。

それは第2話かもっと後かは分かりませんが、いつか出てくるでしょうか。楽しみです。

普通に見えて、普通じゃない人たち

ドラマは何かから逃げているヘンリーの映像でスタートします。ヘンリーはスーツ姿で一見“普通”の男性で、最初は彼が被害者で犯人から逃げているところなのかという印象を持ちました。

でもすぐに、彼が犯人で、警察から追われていることが分かります。

この普通に見えて普通じゃない人、というのが今回の話のポイントの1つなのかもしれません。

アリスも一見、家族が被害に遭ったかわいそうな人です。神童と呼ばれるほどの天才で、大学で研究をしているなんて、普通よりも“立派”な人にも思えます。

そんな人がたまたま実家に帰っている時に殺害された両親を発見するなんて、残酷なこともあるんだなと思っていたんですが…。

でも、人は見た目じゃ判断できないんですね。ヘンリーは連続殺人者ですし、アリスも両親殺害の疑いがかかっています。

また、もう1つやっかいなことは、ヘンリーもアリスも味を占めたということでしょうか。ヘンリーは連続して少女を狙っていましたし、アリスも殺人にまでは及んでいませんがジョンやジョンの妻を狙いました。

一度やって捕まらなかったという成功体験が次も成功するという錯覚を起こすのか。誰かが捕まっても自分だけは捕まらないと錯覚しているのか。

何も起きないのが一番ですが、何か起こった場合に成功体験を味わわせないこと、そしてこの錯覚を起こしている人たちを早く突き止めること、ジョンたちがやっている仕事はとても大変でスピード勝負のように思えました。